DIY>腕時計>電池交換
年老いた母親が「コレお願い。」と言って古びた腕時計を置いていきました。
長年使いこんでいる母愛用の腕時計です。
電池が消耗したのか「秒針」が動いていません。
たしか嫁入り当時から使っていると聞いていたので、もう50年以上前の品でしょうか?
SEIKOのロゴが入ってます。腕時計って丈夫ですね。
多分電池切れでしょう。
普通は時計屋さんに持っていって電池交換を頼むのでしょうが、極端に古い物や超高級時計の場合は万が一故障した場合、あとが面倒なので嫌がって断られる場合が多いようです。
なので自分でやってみました。
腕時計の裏蓋の種類
腕時計の裏蓋の固定方法には数種類あります。
・ねじ込み式
・ねじ止め式
・はめ込み式
<ねじ込み式>
「スクリューバック方式」とも呼ばれています。
円形の時計に多く、裏蓋の外周がねじ状に加工されており時計本体にねじ込んであるものです。フタ全体を回転すれば外れます。
これを外すには専用の工具が必要ですが、強者(つわもの)はゴムボールを強く押し当てて摩擦力を利用して回転させるらしいです。
裏蓋の周囲に工具が引っかかる溝(へこみ)が等間隔に加工されているので分かりやすいですね。
<ねじ止め式>
G-SHOCK等はこのタイプが多いです。
裏蓋の4隅を小さなビスで固定してあります。
これは精密ドライバーで簡単に開ける事ができます。
<はめ込み式>
小型の時計に多いタイプです。
裏蓋は本体に圧入されていて外すための加工が特に見当たりません。
つるんとした蓋が特徴です。
これを外すには「こじ開け」と言われる工具が必要です。
マイナスドライバーでは絶対無理ですね。
裏蓋の取り外し
今回、うちの母の腕時計は「はめ込み式」でした。
ですので、「こじ開け」が必要です。
⇧これは私が日ごろ色々な物の分解に使っている「こじ開け」です。
昔、Amazonで買った商品です。
何種類かのセットで先端が鋭利な為、保護キャップも付属していました。
ノートPCやタブレット、リモコンの分解に便利な万能工具です。
実はダイソーにも同じような商品は売っています。
が、時計の裏蓋外しに必要なら買わない方が無難です。
⇧安物は先端の厚みが厚くて時計には使えません。
または先端がすぐにパキッっと欠けます。
リモコンの分解とかになら使えるでしょう。
▼開けてみました
裏蓋とボディーの境目に「こじ開け」の先端を入れてチョットこじったらパカっと開きました。
この境目がほとんど無い時計もあります。また「こじ開け」の先端が厚いと全く引っかからない場合もあります。
今回は超簡単でした。
※外す前に裏蓋に打刻されている文字の方向をしっかりと記録しておきましょう。
電池の交換
次は電池を取り外します。
小さなボタン電池が装着されています。よく見ると横方向から電池をホールドする金具があります。そこから外れるように電池を「爪楊枝」でこじったら簡単に外れました。
<注意>金属製のピンセットは使わない方がいいでしょう。
電池残量がある場合ショートするかもしれません。
電池の型式
外れたボタン電池に書かれている型式を確認します。
【SR521SW】と打刻されていました。
時計用電池は種類が多い為、ほぼホームセンターには置いてありません。
家電量販店なら売っているかもしれませんが行くのが面倒なのでAmazonで買っちゃいました。(だいたい翌日には届くので)
他のメーカーより少し高めの値段でしたが安心のPanasonic製にしました。
Amazonで598円(送料込み:プライム会員価格)
後日、別件でヤマダ電機に行った時に見たら同じものが617円(税込み)でした。
恐るべしAmazonプライムですね。
電池の装着は簡単です。
裏表(プラス・マイナス)だけは間違えないようにしましょう。
文字の書かれている面が見えるように装着します。
電池切れが故障の原因ならば、この状態で秒針が動き始めているはずです。
動いてない場合はピンチです。時計屋さんに直行ですね。
(うちの時計は無事動きました。)
裏蓋の装着
ほとんどの腕時計の裏蓋の内側の周囲にはゴムパッキンがついています。
このパッキンにホコリやゴミが付着していると防水不良となります。
綿棒などできれいに掃除をしておきましょう。
気休めかもしれませんが私はこの部分に「ワセリン」を薄く塗っています。
しっかりと防水したい方は、真面目にシリコンを塗布しましょうね。
<関連記事>
⇨G-SHOCK 超古いGW-9100の電池交換と分解掃除 まだまだガンバレ
裏蓋のはめ込みは、本来は専用の工具があります。
小さなプレス機の様な物です。
でも専用工具が無くても装着可能です。
なるべくまっすぐに裏蓋を本体にあてがいガラス面と裏蓋を指ではさみグッと押すとパチンとハマります。少しでも斜めになっているとハマりません。
※品物によっては蓋の内側に竜頭の軸部分の逃げ加工がされている場合があります。
※外す前と同じ向きになるようにしましょう。
<注意>
固いからと言って机の上に時計を置いて指で押したり裏蓋を木槌などでコンコン叩いてはいけません。運が悪いとガラス側が割れます。上の専用工具を用いても裏蓋が傾いているのに気づかず押さえつけるとガラスが割れます。
最終確認
裏蓋が装着されたら時計の側面をしっかりチェックして下さい。
最初に「こじ開け」を差し込んだ溝のような境目が元通りに密着しているかどうかです。蓋のはめ込みが僅かでも浅いと溝に隙間が生じます。これでは防水効果は見込めません。
<時刻合わせ>
最後に時刻合わせを行い1時間程度放置して時刻に狂いが無ければ完成です。
「こじ開け」さえあれば誰でも出来る作業だと思います。