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今回のお話はファンヒーター修理です。
最近寒くなってきましたね。
ジャンクな石油ファンヒーターが手に入ったので、作業場用にするために修理してみました。
※DIYでチャレンジされる場合は自己責任で行ってください。
ドナーはコロナ:KFC-324Y(GT-324Y)2004年製
KFC-XXXはホームセンター(コメリ)で販売されているモデルで一般販売モデルはGT-XXXとなります。いずれにしろ格安モデルですね。
通常モデルはFH-XXXになります。
まずは 症状の確認
さて、故障の症状ですが「電源が入りません。」
コロナのファンヒーターは電源OFF状態でもコンセントがささっていると液晶表示部には「----」が表示されています。
今回のドナーは全くの無表示です。
つまり、制御部(基盤)にAC100Vが供給されていない事になります。
この場合、考えられるのは
◆電源コードの断線
◆基板上のヒューズ切れ
◆バーナーサーモの異常高温遮断
◆安全サーモの作動
のいずれかになります。
<余談>
コロナのファンヒーターの故障で多いのは「E0」「E1」「E4」エラーですが、これらは燃焼部の不具合です。
燃焼部の故障の場合は電源は入ります。運転開始後にエラーが出ます。
◆「E0」「E4」は燃焼異常ですので着火後発生します。
正常な燃焼状態でない場合に表示されます。
空気不足、不良灯油、シリコン付着等です。
◆「E1」はフレームロッド(炎検知センサー)のショートです。
着火前に表示がでます。
バーナー内部に多量のススが付着しセンサーとバーナーがススでショートしてます。
いずれも、バーナーの分解が必要になるでしょう。
話は戻って
電源が入らない原因を調べてみる
フロントカバーを外してチェックします。
・ヒューズ切れも無いようです。
・バーナーサーモに導通がありません。
・安全サーモは導通ありました。
バーナーサーモが切れたままのようです。
試しに、バーナーサーモの端子をハンダの切れ端で短絡してみます。
電源が入って運転も開始します。
バーナーサーモって何?
バーナーサーモは、そのまんまバーナーの温度検知器です。
燃焼部(バーナー)が異常な高温になった時に主電源を遮断します。
本来はそんな高温になってはダメなんですが何らかの条件で異常な高温になったと考えられます。
多分ですが、このファンヒーターは8~10畳用なのですがもっと広い部屋で常に強火力で連続運転したんじゃないかなと思います。
その時に運転(切)で停止じゃなく停電やコンセントを抜く等で冷却工程なしで運転停止状態になりバーナーサーモが切れたと想像します。
※ファンヒーターの運転停止は必ず運転ボタンで「切」にしましょう。コンセントを抜いたり延長タップの個別スイッチをOFFにするのは冷却の為に回転している背面ファンが止まってからにしましょう。故障しますよ。
バーナーサーモをリセットする
本来は、バーナーサーモは交換になります。
バーナーサーモは安い部品です。
楽天で購入できます。
今回は、自分専用で作業場で使うつもりなので交換せずサーモをリセットして使います。
※危険なので絶対真似しないで下さいね。
リセット方法はOX△OX△・・・危ないので書きません。
リセット後に安全の為、異常高温になった時に作動するかテストしてみました。
方法は簡単、「直接ライターで熱して導通が遮断されるかテストする」です。
数秒間加熱するとカチンという音とともに導通が切れました。大丈夫です。
(ススだらけになりましたが、拭けば綺麗になりますよ。)
再度リセットしてバーナーに装着です。
これで、電源の入るファンヒーターになったので、次に本体とバーナーの掃除です。
これも私は部品交換はしません。(ジャンクに高額な費用はかけたくないので)
「E0」「E1」「E4」エラーはバーナーを綺麗にすれば直るよ
私の自宅のファンヒーターは全部「コロナ製」です。
毎年冬場は各部屋で使うので5台くらい稼働させてます。
一番古いモデルは1995年製で他のも古いモデルばかりです。
今まで修理で部品交換をした事は無く、今から説明する方法でずっと使えてます。
☑本体の内部のホコリは定期的に掃除する。
☑バーナーは何年かに1回、分解して綺麗にする。
関連記事:コロナのファンヒーター 「E4」エラーを修理する(部品交換なし)
■バーナーの分解掃除
基本、重要な部分は4か所だけです。
①点火ロッド
②フレームロッド
③バーナーヘッド
④バーナーリング
方法は単純、磨くだけです。
やすり、サンドペーパー、ワイヤーブラシで綺麗にします。
そんなに綺麗じゃないですが、十分です。
私流はペンチの先端のギザギザの部分で挟んでグリグリ回転させて表面を削ります。
これで4~5年はもちます。
「E4」エラーで悩まない為に
コロナのファンヒーターで「E4」エラーが改善しない方へ。
②のフレームロッドを交換したのに「E4」が出てしまう事があります。
修理の基本はバーナーヘッドやバーナーリング、ガスケットを交換するのですが交換しないとこの症状に悩まされる場合があります。
■バーナーヘッドはただの網じゃない。
炎の出てくる網の部分(バーナーヘッド)ですが、長く使ってるとこの網に燃焼物が堆積してきます。これを掃除しないと正常な炎になりません。
ワイヤーブラシで綺麗に磨いておきます。(これ重要です)
かなり念入りにゴシゴシしました。白い粉状のものが沢山取れました。
光にかざして見ると、網のスキマが大きくなっています。
DIY派の場合、この作業を丁寧にやらない人が多いですね。
絶対丁寧にやった方がいい作業ですよ。
■バーナーリングも綺麗にしましょう。
バーナー外周の輪っかですが、これもペーパーで綺麗に磨きましょう。特に内側が重要です。
今回のドナーはバーナーが変形していてリングが外れませんでした。
(普通は簡単に外れるべき部品です。やはり高温での運転時間が長かったのではないでしょうか。)
一通り綺麗になったら元通り組み上げます。
本体のホコリも綺麗にしましょう。
本体側は外でエアブローと細かいところは歯ブラシなどで綺麗にしました。
■背面ファンは全体を外して綺麗に。
羽根も外して裏表とも綺麗にしましょう。
■燃料ポンプやフィルターも掃除すればベストです。
灯油で手が汚れていたので・・・写真がありません。
組み上げは慌てず慎重に
全部が綺麗になったら、元通りに組み上げます。
電線類が燃焼部に干渉しないように注意して下さい。
最後に燃焼テストです。
一発点火で燃焼状態もいい感じです。
連続運転も安定していて問題ありませんでした。
※強火力より最弱での連続テストが重要です。燃焼が不安定な場合、最弱時にエラー「E4」が出やすいですよ。
※ご自分で分解掃除する場合は自己責任で行ってください。
日常注意するべきこと
自動車整備で昔から言われているエンジントラブルの発見や予防のポイントがあります。
「良いガス、良い圧縮、良い火花」
石油ファンヒーターの場合も似ています。
「良い灯油、良い空気、良い火花」
◎きれいな灯油を使いましょう。
(水や軽油、ゴミの混入に注意)
◎背面の吸気フィルターは定期的に掃除しましょう。
(ファンじゃ無くてフィルターが肝心です)
◎点火時のジジージーって音が弱くなってきたら点火ロッドの消耗かも。
(これは自分で出来ない人は電気屋さんで交換ですね)
部品の購入は楽天がお得
今回は部品交換しませんでしたけど、賢明な皆さんが自己責任で修理される場合は新品部品への交換をお勧めします。
楽天で入手可能です。便利な時代ですね。
・コロナ 炎検知器(フレームロッド)
・コロナ バ-ナーヘッド
・コロナ バーナーリング
上記以外の点火プラグや燃料ポンプ(電磁ポンプ)もそろっていますよ。
↑↑ ここは何でもそろっていて便利です。
楽天店なのでポイント支払いもOKです。
おまけ
※ダイニチのファンヒーターの場合は、気化器交換が必須です。
掃除だけでは絶対直りませんよ。
<気化器>
灯油を加熱してガス状にする部品です。
ヒーターで覆われた筒状の部品の中に微細な通路が複数あり、その中を灯油が通過する際にヒーターで加熱され気化(ガス化)されて先端のノズルから燃焼部に噴射されています。熱々の霧吹きみたいな感じです。
この微細な通路にカーボンが徐々に堆積して流れが悪くなり不完全燃焼が発生します。
この気化器は分解不能な 構造で中を洗浄する事が出来ません。
強力なカーボン除去液等での通路洗浄実験した事がありますが全然ダメでした。
(気化器を金ノコで切断して中を見た事がありますがガチガチのカーボンがビッシリ詰まって通路をふさいでいました。)
ダイニチの気化器はオーバーホール不能です。部品交換しか方法はありません。
※気化器のノズル先端のニードルだけは掃除できますがアレでは不完全燃焼は改善されませんよ・・臭いし。
ダイニチのファンヒーターは点火が早くて、商品価格も安くて人気ですが、この早い点火の代償として気化器の寿命が短く修理には気化器交換が必須ってのがデメリットです。
ダイニチのファンヒーターの「HHH」エラーや
トヨトミのファンヒーターの「HHH4」エラーは素人では解除不能ですので
(解除はできるけどすぐに再発します。)
あきらめて販売店に持ち込んで下さい。
なので、我が家はコロナしかありません。
(コロナは分解オーバーホールで、ほぼ直ります。)
タンクも年式が違っても共通ですしね。
<関連記事>
コロナのファンヒーター 「E4」エラーを修理する(部品交換不要)1995年式だって直っちゃう。